昨年、初めての開催となりました「味付ジンギスカングランプリ2022」は、全国各地からエントリー商品が70商品も集まり、結果、多くのメディアに取り上げられ、羊肉業界・ジンギスカン業界に大きなインパクトを与えることに成功しました。
今年は「新しいみんなのジンギスカンを探せ!」という新要素を加えたかたちで、募集枠を拡大!さらに大きなムーブメントになって、日本全国の羊肉ファン・ジンギスカンファンの皆様に新しい「出会い」をお届けするとともに、味付ジンギスカンがさらに広く多くの方に知れ渡るチャンスになればと切に願っています!
日本人にとって最もポピュラーな羊肉料理といえばジンギスカン。なかでも「味付ジンギスカン」は、ジンギスカン文化とともに全国へ普及し、各地域で独自の進化を遂げ、特産品としても人気です。
気軽に美味しく家庭で楽しめ、美食としてもっともっと注目されるべき「味付ジンギスカン」の価値を世に伝え、味付ジンギスカン業界全体を盛り上げること。そして羊肉の需要を増やすことが「味付ジンギスカングランプリ」の目的です。
地元で愛される商品や、量販店で扱われる商品など、「メーカー様・店舗様が市販しているもの」で、かつ「オージー・ラムまたはマトンで作られた物」が一般部門のエントリー対象となります。味付けは問いません。
エントリーいただいた商品を一次選考として審査員が審査、グランプリ候補を選出し、最後は一般消費者による決選投票でグランプリを決定します。
合計56商品がエントリー!
「新しい味付ジンギスカン」を募集する部門です。今後市販化が予定されているのであれば、試作品段階でもエントリー可能。条件は、「厨房など保健所の許可を受けた施設で、オージー・ラムまたはマトンで作られた物」だけです。
メーカー様の開発部の方、ジンギスカン店様、シェフ、一般の方・・など、われこそは!!と思う方がだれでも参加でき、新しい世界基準の味付ジンギスカンをみんなで作る部門です。
合計20商品がエントリー!(販売前の試作品含む)
去る4月18日〜19日の2日間、「味坊集団」オーナーの梁宝璋ラムバサダーの協力のもと、足立区・六町の味坊工場にて、審査員による全商品の実食審査を実施。本来であればジンギスカン鍋を使うのがベストでしたが、審査効率化を図るためホットプレートでの調理としました。今回も甲乙つけがたい魅力的な商品が出揃い、非常に難しい審査となりました。
一般部門は、評価点数の上位3商品が5月19日〜21日に札幌で開催される「北海道ジンギスカンフェスティバル2023」での決選投票(来場者による試食審査)に進出。ジンギスカン愛あふれる北海道の方の舌で、今年度のグランプリが決定します。
[後列左から]
江六前一郎(編集者、元「料理王国」副編集長)
大西健俊(「食楽」編集長)
横林智之(食肉通信社「食肉速報」副部長)
馬上直樹(食品産業新聞社 代表取締役社長)
[前列左から]
加藤修(札幌市 市長室長)
本田美穂子(北海道遺産ジンギスカン応援隊 事務局長)
スコット・ウォーカー(MLA駐日代表)
トム・パーネル(オーストラリア大使館 参事官 農務担当)
[後列左から]
関澤波留人(ラムバサダー、「羊SUNRISE」オーナー)
シャンカール・ノグチ(ラムバサダー、スパイスハンター)
[前列左から]
本田美穂子(北海道遺産ジンギスカン応援隊 事務局長)
菊池一弘(ラムバサダー、羊齧協会代表)
加藤修(札幌市 市長室長)
表彰式において意義と総評をまとめたラムバサダーの菊池一弘が、文章として表彰式で話した総評をまとめました。味付ジンギスカングランプリの審査後の審査員の感想としてご覧くださいませ。
味付ジンギスカンは北海道の羊肉文化ですが、今改めてその存在の意義が輝いてきています。羊肉を取り扱うスーパーがどんどん増えていて、羊肉は「珍しい食肉」から「見かける物」に変わりつつあります。
しかし、特に首都圏では「羊肉は家でどう食べればよいのか??」と聞かれることが多いのです。「鶏肉=唐揚げ、焼き鳥」「豚肉=とんかつ、生姜焼き」・・・など、家庭でやりやすい羊肉料理の型がまだ決まっていません。
そこで、家庭向け羊肉の普及に提案するのが、我らが「味付ジンギスカン」となります。保存しやすく、調理しやすく、色々な料理に変化できる。羊肉の普及のため活動している我らの、ご家庭向け提案として、味付ジンギスカンがあると考えています。そのために開催しているのが、この「味付ジンギスカングランプリ」となります。
羊は環境負荷の低い家畜と言われており、肉、毛、皮、血液まで余すところなく利用できる家畜です。また、味付ジンギスカンは大量に仕入れた肉を加工し冷凍することで価格を抑え、フードロスをなくすることが出来る、食肉加工品でもあります。輸送も保存もしやすく、羊肉の本来の環境負荷の低さと合わせて、まさに、未来の加工食肉といっても過言ではありません。
味付ジンギスカンは、基本は醤油ベースの味となります。これはご飯との相性も良い日本人が大好きな味ですが、この味以外の味の開発が、味付ジンギスカン文化をさらに広げる=羊肉を普及させることになると我々は考えます。
今回、新たにニューウェーブ部門を設立しましたが、その意味はここにあります。
北海道を中心に食べられている味付ジンギスカンですが、北海道の人口は528.1万人。そして、日本の人口は1億2,000万人です。味付ジンギスカンはまだ、1億人以上の潜在顧客がいることになるのです。この顧客に新しい味付ジンギスカンと、伝統的なおいしさの商品を提供し、味付ジンギスカンの魅力を知ってもらう意義はかなり大きいと考えます。
さらに、この日本発祥の「味付羊肉をマリネして焼いて食べる」技法は、世界に通用すると考えます。羊肉文化がこれからの地域、新しい羊肉の食べ方を求めている地域など、新しい味のニューウェーブジンギスカンは根付き、羊肉普及を領導していくはずです。
今回のコンテストは、去年より全体的なレベルの向上を審査員全体が感じました。どちらの部門も甲乙つけがたい商品が多く、審査員を多いに悩ませたのは、素晴らしいことです。特にニューウェーブ部門の発想の自由さにおいては、参加各社の熱意と、味付ジンギスカンのさらなる可能性を改めて感じました。
このコンテストを通し、北海道の伝統的な食品であった味付ジンギスカンは世界に羽ばたこうとしています。皆さんにも、是非、この流れに乗っていただき、味付ジンギスカンを世界の言葉へと押し上げていきましょう。一緒に羊肉の今後を考える仲間になっていただければ嬉しいです。
文責:菊池一弘(羊齧協会代表、ラムバサダー、審査員)
複数名の審査員が実食し、評価の視点(下記参照)に基づき評価を行い、合計評点の比較により選出します。
※2店舗以上が最高得点を獲得した場合など、同点で競合する場合は、審査員間の協議により選定することがあります。
審査員による一次選考を選出した商品の中で、一般消費者による決選投票を実施し、投票で一番点数が高い商品をグランプリとします。また、オージー・ラム賞など各賞については、審査員及び各協力団体と協議のうえ、決定するものとします。
審査員(複数名の専門家)によって選出します。一般部門と同じく「味」「コストパフォーマンス」「羊肉普及貢献度」を基準に点数を付け、最終審査に残ったものの中より決定するものとします。